視線恐怖も多汗症に関連する神経症の症状として良く見られるものだと思います。
視線恐怖は人の視線が気になり、ぎこちなくなってしまうというのが典型的な症状になります。
人から見られているように感じると、誰でも意識してしまうものですが、視線恐怖に悩んでいる時は、こういう意識してしまって当然の時でも意識してはいけない、ぎこちなくなってはいけないと考えてしまうために、逆に余計に意識し、ぎこちなくなってしまうものなのです。
また、中には自分の視線のために周りの人に迷惑をかけていると感じる人もいます。
この場合は自己視線恐怖ということになりますが、この症状に悩む人も多いものです。
また、人と面と向かって話す時などに、目の向けどころに困ってしまうと悩む人も多いように思います。
そして、この場合、目の向けどころに困るのと同時に汗をかくことも多いものなのです。
しかし、視線恐怖に悩んでいる時は、汗をかくことよりも自分の視線が定まらないことの方が相手から変に思われると感じているものなのです。
このため、汗の方はそれほど気にならないものなのです。
逆に多汗症に悩んでいる時でも同時に視線が気になることがありますが、この場合は、視線の方はあまり気にならないものなのです。
いずれにしても、視線恐怖の場合も、森田療法の考え方を身につけていく中で、視線に対する「とらわれ」が薄れてくることで、少しずつ症状が改善してくるものなのです。
ただ、このためには、ある程度の時間をかけて森田療法の学習をし、森田の考えを身につけていくことが必要になってくるのです。
つまり、抗うつ剤や抗不安薬を飲めば、これですぐに治るという単純なものではないと言えるのです。